年代別の矯正治療

成長期における矯正歯科治療は、顎の大きさや下顎の成長など顎の位置に変化がある年代となります。
そのため、矯正歯科治療の開始時期やかみ合わせのタイプ、また成長の時期により使用する矯正装置も違っています。
さらに成長を考慮した上での治療方法もありますので、その組み合わせは多岐にわたります。
そのため、その方に合った矯正治療法を診断して治療計画を立てることが重要になります。

成長期を終了し永久歯列の安定した顎と歯列の状態からの矯正歯科治療となります。
現代の顎の大きさから歯の大きさに対して智歯（親知らず）が列びきらない場合には矯正歯科治療前に抜歯を行う場合もあります。
受験や留学、就職活動など社会的環境の変化など身の回りの状況に合わせて、ご自身に合った矯正装置を選択することも考慮し、矯正歯科医師と十分に相談していきましょう。

日本人の30代以上のおおよそ３人に２人に歯周病の所見が見られると言われています。
歯と歯列を支える歯槽骨と歯肉の健康は、矯正歯科治療にとってとても重要な要素です。
健康な口腔内環境であれば問題なく、成人矯正歯科治療はいつでも開始することが可能です。
大人の矯正歯科治療には審美的矯正歯科治療法として裏側からのリンガルブラケット矯正法やマウスピース型アライナー矯正装置などが選択可能となっています。

成人矯正歯科におけるお口の中の特徴は、歯周病の罹患率が高くなっていることに加え、歯の補綴治療（カリエス治療による詰め物や被せ物）が多くされていることが挙げられます。
セラミックや金属のインレーやクラウンなど矯正装置が接着しにくい部分となることが多く、さらに歯並びの良くない噛み合わせに合わせた形態と形状になっていることもありますので、矯正治療開始に合わせてプラスチックやハイブリッドの一時的クラウンなどに変更し、矯正歯科治療後に正式な補綴治療へやりかえていただくこともあります。
事前にご相談ください。

矯正歯科治療に年齢は関係ありません。
社会的責任が大きくなり、忙しい時期が続く環境ですが、ご自身への健康への配慮に加え、審美的要素への配慮も必要な時期とも考えられます。
口腔内環境を整え、健康維持のためにも歯並びと噛み合わせの重要性を再認識してみてはいかがでしょうか。人生100年時代の半分です。